第5話:奇跡の勝利!

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第5
話:
奇跡の勝利!
「お前達! 最高だよ!」

<<前回までのあらすじ>>

ススムは、後夜祭(文化祭)で、3年生の男子のバンドに、ススムたちが加わり、会場の体育館は最高潮に達したが、体育科の小橋先生に途中で止められてしまう。しかし、失意のススムだったが、バンドの男子たちが、サッカー部に加わってくれたのである。



どうやって、部員の少ないサッカー部を盛り上げればいいんだ?


少し時間を後夜祭前の、まだサッカー部の部員が、1年生の6人しかいない時に戻しますね。


「じゃあ、今日の練習は、インサイドキックとボールのトラップをやろう!

サッカーでは、正確にボールを蹴って、
止められないと、パスも出せないし、結果、ゲームにならないからね。

とにかく、基本をしっかりやろう!僕がやってみせるから、よく見ていて!」

「はい!」(チーム全員)

練習を始めた部員たちだったが、ボールを蹴る方向が定まらない。

「わるい、マコト! 全然、違う方に蹴っちゃった。すまん!」

と、済まなそうに、初心者の吉田が言った。

「わっ! まただ。ごめん、ごめん。」

初心者の多い部員の1年生たち
は、なんだか心もとない動きばかりで、正直、ススムは、歯がゆかった。

確かに一生懸命やっているのだが、ボールがあちこち転がり、それを拾いに、走り回っている光景が
ススムの目の前で広がっていた。

生徒たちも自分たちの力を知るにつれ、明るさがなくなり、元気のない練習が続くようになってしまった。


盛り上がらない練習が終わった。

(あー、やっぱり、
こんな練習じゃ、無理かな?)

基本をしっかり身に付けなければ(ボールを正確に蹴る、しっかり足元で止める)、それができなれけば、パスする、シュートする、チームでプレーするのは、もちろん、難しい…。

でも、生徒たちは、いつも基本練習ばかりで、明らかに練習に身が入らない様子だった。

(どうしよう?)

職員会議では、商業高校の大会でベスト8を目指すと、大見得を切ってしまった。

一地方の商業高校だけが、参加する大会であったが、20校程あり、その中で勝ち抜くのは至難の技であった。まして、設立1年目で、ボールを初めて蹴った部員がいるススムのチームでは…。

(どうしたら、サッカー部を盛り上げられるんだ?)


憎めない男子生徒たち。突然、ススムの自宅にやって来る!

9月の残暑が残る日曜日が来た。

ススムは自宅の部屋で、授業の教案と、サッカー部の練習メニューを考えていた。

そのとき、1階の玄関の呼び鈴が、ピンポーンと鳴った。どうやら、母が対応しているようだった。
すると、下から、「ススム、お客さんたちが来てるわよ。」と、母に呼ばれたススムが一階に降りると、玄関には、サッカー部の男子たちとマネージャーが立っていた。

「先生、遊びに来ちゃった。」

と、そのときのキャプテンであったマコトが言った。いきなりの訪問でビックリしている
ススムの後ろから、せっかく遊びに来てくれたんだから、

「中に入ってもらいなさい」

と母の声がした。突然の生徒たちの訪問に、ススムは驚いた。

(一体、家まで来るって、何の用だ?)

ススムは、まだやるべき仕事が山程あるのに、と思いながらも、やむを得ず、ススムの部屋に上がってもらった。

とそのとき、一人の男子が、ビールの生樽を手にしているのが目に入った。

「おい、何を持ってきたんだよ! 俺、首になっちゃうよ!」

ススムが驚きと困惑の声を上げた。

「でも、今日は暑いし…いいでしょう。先生!」

と、バツ悪そうな様子も見せずに、平然とマコトが言ってきた。

「まいったな~。 いや、やっぱりだめだよ」

「バレたら大変なことになる」

「あら、いいじゃない。 ここだけだけの話にすればいいんだから。」

いつの間にか、母が、ススムの部屋に入ってきて、驚くことを言ってきた。お盆を手にしながら。

さらにビックしたことには、その盆には、あっと言う間に作った鳥の唐揚げが載っていた。(母は、ビールのつまみが必要だと思い、即座に作ってくれたのですw)

おかしなことに、その場では四面歌になってしまったススムは、やむを得ず生徒たちと、母が作った唐揚げを食べながら、ビールを飲んだのである^^;

(弁解に聞こえるかもしれませんが、、、もちろん、悪いことだとわかっています。ただ、私は、生徒たちのやっていることをすぐに否定できない教師でした。

それが悪かろうが、その経験や失敗を通して、生徒は成長していくのだと、信じています。また、先生が生徒の考えを支持してくれるほど、生徒たちは嬉しいことはないのです。その信頼関係が互いを成長させるのです。

なので、結局は、少々のことなら、許してしまう私がいました。やはり、とんでもない教師ですよね。

時効だから話せる話をしていますw

さて、ストーリーから外れるもう一つの話をさせて頂きます。

私の母のことです。

今の話も、母は、かなりぶっ飛んでいる人だと、あなたも思ったのではないでしょうか。そうなんです。私の母は、超独特です。一般的な規範は、持ち合わせていません。自分が正しいと思ったら、どこまでも突き進んで行く人でした。

例えば、ある時、父が体調を崩し入院しました。その父を見舞いに、大勢の仕事仲間が、病室に入って来ました。入院と言っても、単なる過労だったので、大事に至らず良かったのですが、見舞い客の仕事仲間たちは、少し大きな声で話し始めました。

それを見ていた母は、突然、

「あなた達、何しに来たの!? 
そんなにうるさく騒いでいるなら、帰って頂戴!」

と怒り出し、父の見舞い客(仕事上大切なお客様も混じっていたw)を、病室から追い出してしまいました。

こんなエピソードが母には山程あるのです。母を『瞬間湯沸かし器』と表現したら、天国の母が怒り出しそうですw

でも、こんなエピソードあります。横断歩道を信号無視で、渡ろうとしている見知らぬ子供がいると、周りの目など気にせず、大きな声で、

「だめでしょ! 今は信号赤よ!」

と注意しました。

その叱り方は、子供の時の私に叱るのと、全く同じで、自分の子供だけ特別に扱うのでは、等しくいけないことはいけないと、近所の子供たちを叱ることのできる、言わば肝っ玉母さんでした。

周りの人間が、困ってしまうこともありましたが、本当に愛すべき母でした。^^
その母が、他界しても私を守ってくれたことがあるのですが、その話は、<第7話>になります♪)



さて、話を元に戻しますね。

ススムの部屋で、楽しく会話を弾ませていた生徒たちでしたが、しばらくすると、マコトがこう切り出しました。

「先生、正直言って、サッカー部の練習、盛り上がってないですよね?僕たち、初心者が多いし、部員も1年生の6人だけだから、先生も楽しくないでしょ?

せっかく、サッカー部作ってもらったのに、ごめんなさい。」

(そうか、このことを言いたくて、家に来たのか?)

でも、ススムは珍しく熱くなって語りだした。

「いや、全然そんなことはないよ。僕は、とても幸せを感じているよ。生徒たちと、大好きなサッカーが出来るだけで、楽しいよ。

あのね…

僕の中学時代の話なんだけど、
2年生のとき、同学年に部員は一人もいなくて、後輩の1年生は、すぐにやめちゃうし、なぜって、3年生の先輩たちは15人位いたんだけど、みんなヤンキーばかりで
全然練習に来ないんだよ。サッカーはめちゃめちゃ上手いのに、先輩たちは、気分が乗らないと、遊びに行っちゃうんだ。

だから、せっかく、
校庭使用がサッカー部の時間なのに、僕以外だれもいないときがあって、つまり僕一人でボールを蹴っていたことがあるんだ。

でもね、それでも、僕はガラーンとした校庭で、一人でボールを蹴っていても、ちっとも悲しくなかったんだ。むしろ、広い校庭を独り占めにしている、みたいな気持ちだった。

それでね…

僕が3年生になって、
生徒会長とかになって、積極的に活動するようになれたお陰で、一人で部員集めをやったんだ。そしたら、たくさん同級生だけでなく、後輩たちも入部してくれて、そんなとき、ラッキーなことに、サッカーが強い中学校の顧問の先生が、うちの中学に赴任してきたんだ。

もうね、練習は盛り上がったよ。あっ、ごめん。

それで、その新しく顧問になってくれた先生が、コーチを連れてきてくれて、練習も本格化して、本当にサッカー部らしくなったんだ。

僕がキャプテンになっていたんだけど、最後に大会があってね、、、

僕たちのサッカー部が創立依頼、
初勝利を収めたんだ。ほんとに、弱小のチームだったから、練習試合をやっても、6対0とか8対0とか、散々な試合しかできなくて、負けてばかりのチームだったのにね。

でもね、その勝利は心の底から、感動したよ。

やっぱり、あきらめちゃ、だめだって。それで、どんなときでも、続けることだなって
思ったんだ。」

「先生、いい話ありがとう!やっぱ、今日先生の家に遊びに来て、良かった。俺たち、がんばるよ!」

と、代表してマコトが言った。

「そうかい、それは良かった。またいつでも遊びに来ていいよ。だけど、もうビールはなしだよ」(笑)

憎めない1年生の部員たちが、帰った後、ススムの心にあったものは、僕は、生徒たちに、慕われているんだということであった。もちろん、親愛の情で、ビールを持参するのは勘弁してほしいが、

でも、ススムは、こうして、自分の家にまで遊びに来てくれたことが、嬉しかった。

そして、もう一つ思ったことは、あの男子たちにサッカーで、いい経験をさせてあげたい。何とか大会に出させてあげたいということであった。


いよいよ、サッカー部は、初めて大会に出場する。目指すは1勝!


(時間を前に進めて、後夜祭の話に戻ります。)

後夜祭の後片付けのとき、ススムが一緒に演奏したバンドの3年生男子たちが

「一緒にやってくれて、
ありがとう! 楽しかったよ!」と言った後に続けて、

「先生、俺たちサッカー部に入ろうか?」
と言ってくれたのである。

こうして、ススムのサッカー部は、14人となり、晴れて、念願の大会に出場できることになった。

商業高校18チームが参加する大会であった。トーナメント方式で1回勝ち進むだけでも、目標としているベスト8になる。

そう! 1勝すればいいのだ!

(*ススムのチームが取った戦法:

サッカーでは、あまり強くないチームは、戦術として、守備的なシフトを敷きます。つまり、自陣で守備の人数を増やし、ブロックを作り、ボールを奪うことができたら、足の速い選手に前線で張っていてもらい、相手チームの自陣裏側にボールを出して、そのボールに追いついて、一人でシュートを決める。

或いは、前線にいる選手にパスを出し、ボールを受けたその選手が自分一人で、ドリブルして、そのまま、シュートまで行く。こんな戦法を取らざるを得ません。

ススムのチームは必然、その方法で戦うことになるのです。)

ススムはグランドのベンチに座り、グランドの土を見つめていた。これから、試合が始まるのに、顔をなかなか上げられなかった。

生徒たちは、2,3年生が入り、その後、練習はやってきたものの、基本練習がメインで、練習試合さえもやっていなかった。

いわば、ぶっつけ本番である。

どの高校もススムのサッカー部などは、相手にしてくれなかった。そもそも、できたてのクラブなので、他校には全く認知されていなかった。

ススムに力がないせいで、このように勝ち目のない本番を、迎えさせたことを一人で悔いていた。

「先生!
円陣組みましょう!」

キャプテンのマコトが言った。試合前に、心を一つにするために、部員とマネージャーとで円陣を組んだ。

生徒たちは、真新しい真紅のユニフォームに身を包み、少しはにかんでいた。

その姿を見て、何だか、力が湧いてきたススムは言った。

「いいか!
 相手は、どんどんシュートを打ってくるぞ。 とにかく、みんなで守るんだ。ラッキーなことにボールを奪ったら、マコトにつなげるんだ」

「先生、ラッキーはないでしょ?」(笑)

「絶対に、最後まで諦めるなよ!」

「オーッ!」

「よし! 行って来い!」

(何か皆さんの知っている、青春ドラマの主題歌を頭の中で歌いながら、読んでください♪)

いよいよ、一回戦が始まった。怒涛の攻撃を相手から受けた。シュートが雨あられと、飛んできた。

それを、ススムの選手たちは、必死になって、身体をはって、止めた。もうダメだ、入ったというシュートも、ゴールキーパーの佐々木が、スーパーセーブで止めてくれた。

(佐々木は、正に守護神で、おそらくどのチームに入っても、正ゴールキーパーになれる選手であった。ススムのチームでは、佐々木だけが突出して上手く、彼がゴールキーパーでいたことが、大きかったことは事実です。)

ススムは試合中、夢中になって、選手たちに声をかけた。

「いいぞ! すごいぞ! よし!」

戦術的な指示は、意味がないとススムは思った。

もっとも、ススム自身も興奮していて、しっかりとした指示を出す余裕もなかったのだが、
夢中になっている彼らに届く声は、鼓舞する言葉しかないのだ。

ススムの目の前で走っている選手たちは、下手くそなのに、一生懸命に戦ってくれていた。

ススムは、もう勝手に一人で、満足していた。

おそらく、最後まで耐えきれないだろう。

でも、こんなにも、素晴らしく、真剣に戦う姿を、見せてくれただけで満足していた。

ススムは
心の中で、

(みんな、ありがとう!)

とつぶやいていた。

そして、敗戦を覚悟し、試合後に生徒たちにどう声をかけるべきかを、考え始めていた。


ススムの目の前で、サッカー部は奇跡の勝利をつかむ!

ところが、試合終了のホイッスルが鳴ったのである。もちろん、我がチームは、点を取ることはできなかったが相手チームも取れなかった。つまり引き分けたのだ。そして、PK戦に突入したのだ。

(大会規定によって、引き分けの場合は、PK戦となっていました。)

「いいか!

相手のゴールキーパーを見るなよ。相手の動きに合わせてしまって、ボールを取られてしまうからな。ただ決めた方向に、しっかり丁寧にインサイド・キックでゴールにパスするように蹴るだけでいいんだ。

わかったか!」

ススムは、PK戦前に、そう選手たち指示した。

インサイド・キックが、一番正確にボールを蹴ることができるのである。練習では、毎回に徹底的に、そのキックをやらせていた。

「先生、こんな練習つまらないよ。」

そんな生徒の言葉に耳を貸さなくてよかった。

今、正にその練習結果が出せるのである。それに、こちらには、守護神の佐々木がいる。あいつほど上手いキーパーはいない。そう信じて、彼らをグランドに送り出した。

 

(インサイド・キック⇒

(PK戦:PK戦は、蹴る選手一人とゴールキーパーが、一対一で対峙し、シュートをそれぞれ5人ずつ蹴って、多く点を取った方の勝ちという方法です。

ただし、同点の場合は、サドン・デスと言って、それぞれが一人ずつ蹴って、どちらかが決めて、一方が決められなかったから、その時点で勝敗が決まります。)

いよいよ、PK戦が始まった。ススムの手は、じんわりと、汗をかいていた。

マコト、吉田、ツトム、林、サトシの順番で蹴った。

結果、ゴールを決めることができたのは、マコト一人だけだった。(アチャ〜ッ!)

しかし、相手は、一人もシュートを決められなかった

あまりにもキーパーの佐々木うまかったので、相手はプレッシャーを感じ、ことごとくボールを、ゴールの外へ外してくれたのだ。

結果、PK戦は1対0で、

我がチームが勝利したのである!!!!!!!!!

奇跡の勝利を、ド素人集団のサッカー部が、掴み取ったのだ!

 

こうして、ススムのチームは、1回戦を突破した。その後も信じられないことに、ほぼ同様の形(相手にも恵まれたが)、2回戦、準々決勝と、あれよあれよという間に、ベスト4まで来てしまったのである。

ただ、選手たちは、戦いながら、成長してくれていた。

ただ、守るだけでなく、しっかりボールを止めて、パスをする、厳しい時は、無理せず、タッチライン(ラインの外)へ大きくボールを蹴り出す。大した戦術があったわけではなかったが、彼ら自で、
考えてプレーするようになっていた。


奇跡の勝利はまだ続く! とうとう、サッカー部は、第3位となる!

いよいよ、準決勝を迎えた。

(いかがですか? 凄いでしょ!ベスト4ですよ!自画自賛w)

相手は優勝候補の南谷商業高校であった。圧倒的に強かった。為す術もなく8対0で負けた。

でも、まだ試合はあと一つ残っていたのである♪ そう、3位決定戦である。

その試合前、大会中の恒例となっていた円陣を全員で組んだ。ススムの選手たちは、誇らしげに立っていた。

それまで、ススムに歯向かうこともあったサトシが、珍しくみんなの前で言った。

「先生! 俺たちに任せてくれよ!見ててくれよ!」

(もう40年も前のことなのに、彼の堂々した姿と、その言葉は忘れていません。)

相手チームは、第八商業高校で南谷高校ほどではないが、強敵だった。

試合が始めると、相手の怒涛の攻撃が続いた。守護神佐々木が横っ飛びで、シュートを止めようとしても間に合わず、もう入ったというシュートが、ゴールのポストに当たって、救われれるシーンもあった。

(何十年もサッカーを見てきているので、わかるのですが、試合展開として、余裕で勝てそうな強いチームが、アンラッキーなことが続いていくとき、その強いチームが勝てないことがあるのです。

逆に弱いチームからすれば、ジャイアント・キリングです。

そんな場面を、スポーツ観戦が好きなお方なら、ご存知ではないでしょうか。)

試合も、残り10分となった。まだ0対0のままである。(高校の試合は前半40分、後半40分で戦います。)

そのとき、相手のシュートが、守備をしていたツトムの脚に強く当たり、ラッキーなことに、そのボールが、さらに、味方の吉田の足元に来た。

吉田はそのまま、大きく、相手の守備陣の裏側へとボールを、蹴り込むことができた。

前線に張っていた、マコトがそれを見て、全速力でボールに追いつき、ドリブルをした時には、
相手はゴールキーパーしかいなかった。ゴールキーパーの動きを見て、かわすなどというテクニックは、マコトにはなかった。



みんなが固唾を飲む中マコトは、思い切りシュートした!

ゴール!!!!!!!!!!

我がチームに得点が入った。選手全員が、大きな歓喜の声を上げた。

ススムは、なぜかこのときは冷静だった。点が入れば、当然、相手は捨て身で、攻めてくることがわかっていたからである。

ススムは、ここぞとばかりに大声を上げた。

「全員で守れ! 最後まで気を抜くな!」

それを耳にしたサトシが、ニヤッと笑い返してきた。マコトも守備に回り、全員で身体をはって、守りに守った。

ピーッ!

終了のホイッスルが鳴った。

ススムのチームは、みんなで抱き合い、勝利を喜びを分かち合ったことは、言うまでもない。

そんな誇らしい生徒たちに向かって、ススムは、言った。

「お前たち! 最高だよ!」

 


<<次回予告>>

ススムが高校教師になって、12年が経ち、4校目の赴任先が決まった。そこは、いわゆる進学校であった。生徒たちは、受験勉強ばかりに目が向いていて、高校生活を楽しんでいる様子はなかった。
そのことに気がついたススムは、生徒たちのために、あることを始めるのである。

(つづく)

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