父は大工になり順風満帆だったが、手首の切断手術を受ける崖っぷちに追い込まれた。

サイドストーリー
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「再起不能に直面した時」

今回も父のことを書かさせて頂きます。

前回の父のストーリーでは、こんなことを書きました。

父は口減らしのために

畳屋の丁稚奉公に出されたのです。

畳屋の修行は楽ではありませんでした。

ほぼ、1日一食で、昼間は働き詰め、

そして、ようやく、屋根裏部屋のような場所で

兄弟子たちと、おそい夕飯を食べるのです。

といっても、冷えた握り飯のみですが。。。

口減らしと言っても

かわいい息子を奉公に出した
父親(私の祖父)がときより、

息子の様子を見に、たくさんの食べ物を持って

畳屋に訪ねるのです。

でも、父親(私の祖父)が帰ると

それまで、愛想よくしていた兄弟子たちが

豹変し、私の父がもらった食べ物を

すべて奪ってしまうのです。

父親(私の祖父)が来るたびに

それが繰り返されました。

その他にも

真面目だった私の父は

どんどんと畳職人の仕事を覚えていくのですが

それを妬んだ兄弟子たちが

父が作った畳に傷をつけるのです。

こうして

父はそんないじめに耐えられなくなり

誰にも告げずに

その畳屋を夜逃げ同然に一人で出てしまいます。

そして、

なけなしのお金を使って

一人上京するのです。

頼るあてもないのに。。。



こうして、父は東京に来ました。

このとき、父は、18歳でした。

あてもなく、ひもじい思いで、

東京の街をさまよっていたとき、

突然、東京都下に親戚がいることを思い出し、

いきなり、その家を訪ねました。

幸いなことに、優しい親戚は、父を家に迎え入れてくれて、

事情を聞いて、すぐに、ある大工の*棟梁を紹介してくれました。

(*棟梁とうりょう:一つの集団の中心的・指導的地位の人。大工の親方)

そして、父は、今度は大工見習として、修行を積むのです。

真面目で努力家の父は、やはり、めきめきと大工の技術を身に付け、

20代半ばにして、副棟梁になりました。

順風満帆に20代を過ごせるはずでした。

でも、ある日、父は自分の体に異変を感じたのです。

左手に激痛が走り、手に全く力が入らなくなっていたのです。

医者に診せたところ、大工の仕事中に、爪先から細菌が入り、

それが手の骨をまるで軽石にようにさせてしまっていると。

医者はさらに、こう告げたのです。

もう大工仕事は手に力が入らないから、危険なので無理である。

あきらめたほうが良い、と。

父は落胆しました。

これから、どうやって生きていこうと。

そんな父をさらに追い打ちをかける宣告が待っていたのです。

その手の細菌は、放っておいたら、手首、腕、肩、そして脳へと転移する可能性がある、

だから、

その前に、左手首を切断する必要があると。。。

父は、絶望しました。

もう生きる希望はないと。

そして、思いつめた父は、近くの川に橋に立っていました。

川に飛び込んで、終わりにしようと、考えていたとき、

ふと、別の考えが浮かんで来ました。

いや、もう死んだも同然だから、

片方の手がなくてもいいじゃないか、

死んだつもりで、なんでもやってみよう。

そんなことを思った心の根底には

幼くして他界していた姉のことを思い出したそうです。

姉さんの分も生きるって

誓っていたじゃないか、と

自分の心を思い出したのです。

こうして、父は川に飛び込むことを断念し、

新たに第二の人生を生きていこうと決意したのです。。。

つづく

 

 

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