【アメリカでの恋愛・男女愛⑥】アメリカの住んでる地元でマッチングサービスを使ってみたー第三弾

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こんにちは。

オトメと申します。☺

今このページに辿り着いているあなたへ、貴重なお時間を割いていただき大変感謝しております。

プロフィールおよび連載ストーリーを読まれた方でもそうでない方でも、きっとこのサイトの何かにご興味を持たれてお越しくださったのだと信じております。

最近ようやくプロフィールおよびオトメのここ数年の激動のアメリカ人生を綴った連載ストーリーが完成し、

気づけば日本、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ、カナダなど方々からアクセスしていただけるようになりました。

オトメと一緒にこれからもアメリカのオトメ日常の疑似体験を楽しんでいただけることを願います😊。

さて今回のコラムは「アメリカの住んでる地元でマッチングサービスを使ってみた―第三弾」についてお話ししてみたいとおもいます。

 

経済界の超成功者さんとお近づき?!

第二弾までに、何となく地元に事務所があるマッチメーカー・サービスのサイトに登録して電話がかかってきて誘われるがままに事務所に面接に行き、なんと10分の一の値段にて会員登録してしまったなんてトンデモナイ最近のオトメ実話をお話ししました。

10分の一といいましても、それでも20万円強の支払いをしているわけですから安い買い物ではありません。

そしてその後日に経験したオーナーさんとのテキストや電話でのやり取り、そして彼の下で働く女性スタッフからの思いがけない忠告などなど全くオトメの脳みそがついて行くのがやっとというスピーディな意外な展開が待ち受けていました。

まずこのオーナーさんなんですが、私をこういったサービスに興味を持たせた張本人でもある同僚のイスラエル人の女性の話を面接中にしていたところ、明朝八時半の電話でぜひその女性を自分の彼女候補として紹介してほしいなんていう告白をされてしまったわけです。

えええ~そう来たかぁ、なんて思いながらも彼が10分の一に会員費をディスカウントしてくれたその理由がその時になってやっとわかった気がしたのです。

そして週末にその同僚と食事をする約束をしているからとオーナーさんに言っていたにもかかわらず、なんとその電話をした朝から毎日、文字通り毎日私の携帯にオーナーさんからのテキストメッセージが届くようになりました。

「おはよう!君の友達の女性に僕のことを紹介するの、忘れないでね~。」

って、馬鹿の一つ覚えのように、そしてまるでそうでもしないと私が忘れてでもしまうかのように、しつこく同じ内容のテキストを送ってきたのです。

全くなんなんだこいつは、と呆れてせっかくの穏やかな土曜日の午後にまでそれをやられたときにはさすがに頭にきて私の方から

「あのですね、そんなに焦っているところ相手の女性に知られたらあまりいいことないんじゃないんですか。タイミングが大事だと思うんですよね。」

と言い放ったところ、やっとおさまり次の日の夜同僚のイスラエル人の女性と食事してこちらからテキストするまでやっと静かになってくれました( ´∀` )。

 

そして、彼女のシェパード犬を一緒に散歩しながら、私オトメのその一週間の奇妙な出会いとマッチメーカー・サービスという新しい世界との触れ合いについてざっと話をしてから、何とか自然な形で

「あ、そういえばさ、そこのオーナーさんがあなたにぜひ紹介してほしいって。」

と切り出したところ、なんと彼女の方から

「え、何その人キュート?」

※中年男性のことをキュートかどうかって表現するのは妙な気もするとは思うのですが、実はアメリカではこういった表現を中年男性に対してよくするんです。女性に対しては Is she attractive?とか Is she nice looking?なんていう言い方をよくすると思います。

なんて聞いてきたんですよね。面白いですよね。そこで私が

「そうねぇ、キュートかどうかは相手の好み次第だと思うんだけど、悪い見かけの人ではないよね。」

と適当に返事をしたところ、

「そんな三時間もオトメを拘束したなんて…オトメに惹かれてるんじゃないの?」

なんて解釈をしてくるわけです。

従って「なにそいつ?」的な反応がなかっただけに、結構簡単に彼女とオーナーさんをテキストでその日の夜につなげることができました。

 

そうしたらです。まさか、という事態に陥ってしまいました。

オーナーさんの方から「え、だれこれ?」とかいうとぼけたテキストの返事が返ってきたのです。

おいおい~、あれだけ毎日のようにテキストしてきた男が、なんでもう忘れてんだよ。って半分呆れながらも、

「紹介しろって言った通り紹介しましたけど。」

と返事をしました。さらに、

「今晩はもう遅いし、今子供を寝かしてつけているところだから明日になったら連絡してやってくれますか。」

と言ったところ「オッケー」的な返事が返ってきたと思います。

一応うまく適当にぼかしておいたからあとは二人で実際に会って気が合うかどうか確かめてみたらいい、みたいな内容のテキストを打ったところ、

「え、彼女候補だって言ってないの?じゃあうちの事務所の会員に勧誘しているだけって思われるかもよ。」

という疑問が返ってきたので

「もちろん最初はそんな雰囲気で会って当然でしょ。いきなり僕の彼女候補として会ってほしいって、お互いのこと何にも知らないのに不自然だしはっきりいって怪しいって。」

というテキストを打ち、一応電話でも彼女と話した雰囲気はいい感じだったから安心してそっと彼女候補にしたいってことを会ってから打ち明けたらいいと思う。そうすれば彼女も怪しまないと思うから。と彼女の用心深い性格など考慮した発言をしました。

電話越しではオーナーさんも「うんそうだそうだ。ずっと男の影の一切ない10年間を歩んできてきっと男性に対しては相当用心深くなっているだろう。それが自然で怪しまれない方法だ。」

とかなんとか調子よく同意していたんですが!!!

なんとなんと、その電話の直後に同僚のイスラエル人の女性に早速

「ねえねえ、どんな顔しているの?写真みせてぇ💕」

とかフザけたテキストを送り付けていたんです!!!

だからそれだけはしてくれるなって言ったじゃないか!!しかも、夜遅くにテキストしてまるでテレクラかよ、ってもんです。

翌日の混乱しきった同僚のイスラエル人の女性からのテキストを見て私オトメの怒りはついに爆発してしまったのです。

人の話聞けよ!!!

とばかりに、「ほら言ったでしょ。彼女は用心深い人なんだからさ、そういう怪しいダイレクトなアプローチはご法度なんだってば。残念だね。」

と言い放ったら「俺は何も悪いことはしていない、云々」という長いテキストがきてその後に「でも紹介してくれてありがとう。とりあえず君のデートの相手を見つけることに専念しよう」という少し改まったテキストも来ていました。

従って私の方からも「いえいえ、せっかく大きく割引してもらったので一応私からのお礼のつもりです」と謙虚にお伝えしました。

これで一応一件落着、とりあえず気持ちよく会話を終わらせたわけですが、正直なところ

「うーん、やっぱり10分の一に割引できてしまうような事務所っていうのはやはりこの程度の人間性か」

と苦虫を嚙み潰したような気分にならざるを得ませんでしたね。

 

私オトメはかれこれ2000年より20年間ちょっとアメリカで生き延びてきてしまったサバイバーです。

そして一応これでもバツイチ子持ちの40代半ばの女性です😊。

勉強ができず、勉強が大嫌いで、何か面白い生き方はないか、と就職大氷河期であった日本を2000年に脱出したあと、

勉強ができる → アメリカでの研究者キャリアを築く

のではなく、

生き延びるために仕方なく勉強して → 気が付いたらアメリカ政府に認められる研究者

になってしまっていたような人間です(詳しくは連載ストーリー参照)。

そして何をどう間違えたのか、今では女性に重きを置いた臨床系、公衆衛生系の医科学研究のプロとなってしまいました。

そんな私ですから、マッチングサービス事務所のオーナーが相手の話や都合を全く無視して自分勝手に行動しているさまを目の当たりにして、完全に彼に対するそして彼の提供するサービスに対する自信を失ってしまったのです。

そして彼の元で働く女性スタッフの一言

「あなたのようなアジア人女性を求めている経済界の大成功者である青い目をしたスレンダーな白人男性がいる」

がずっと頭の中をめぐっておりました。

そうか、こういったサービスを通じてそんな異次元の世界に住む男性と知り合いになることもできるのか、と

他にもこういったサービスにはどんな種類のものがあるんだろう、とこの場に及んでやっとグーグル検索をするに至ったのです(遅いって💦)。

このオーナーさんはまったく日和見主義もいいところで、オトメの謙虚な対応に後日早速漬け込むように「他の事務所とかに目向けてないでちゃんとうちのメンバーとデートしてよね、超割引してやったんだからさ」なんていう嫌味などもしゃあしゃあと平気で言い放つ裸の緒様ぶりを発揮しておりました…

 

他のマッチングサービスに連絡とる

まああまりのオーナーさんの体たらくにあきれ返ってしまいまして、またスタッフの女性からの入れ知恵で、なんとこの時点になって初めて

「他のマッチングサービスも見てみるか」

なんていうトンデモなく呑気で今更のように間の抜けた考えがやっと浮かんだのです。

そしてグーグル検索してみると、まあ合計で六つくらいのマッチングサービスがぼんぼん後から後から出てくるじゃないですか。

「ええ、なんだよぉ~」

なんて自分で自分のことを蹴って最初のサービスに20万払ったことを心から後悔しましたね。

うーーーーん、まあこれも高い授業料を払ったと謙虚な姿勢で学ぶしかないのかぁなんてまあそれでもこれまでのオトメの人生においても悔やんでも悔やみきれないようなことはいくつもあったので、あまり気にしないながらもちょっと自分自身にあきれ返ってしまいましたね。

一体いつも用心深いオトメちゃんとしたことがどうしちゃったのかな、ってなものですね。

まあ一種の魔が差したのか…まあこの答えも実はその後の流れでだんだんはっきりしてくるんですけども。

 

私オトメの人生って波乱万丈であり、ハチャメチャなやりたい放題な感じがあるんですが、結構後から考えるとどうして、私としたことが、なんて自分でも自分の取った言動がたまに理解できないことなんかがあったりします。

例えば、長男の日本国籍申請を出生三か月以内にしなかったのですが、それも後から考えるとどうして手続きをするとか普通は忘れないようなことを平気で後回しにして後から「あれ、まじで?もう届け出だせないの?」なんて茫然としたりするんです。

周りからも「なんてもったいない。次男は二重国籍なのに長男はそうじゃないなんてかわいそうに」なんて何度もなじられたものです。

「はい、完全に私の見過ごしです。」としか惨めで恥ずかしい気持ちで自分のしでかした取り返しのつかない間違いに首を傾げ続ける毎日でした…が、

コロナ禍に入って子供たちが自宅学習となり、アメリカ社会の健康認知における格差からマスクなどの衛生対策にばらつきが目立つ環境において、子供たちは家にこもりっきりでビデオゲームやコンピュータばかりをいじるようになり、長男などは精神的にも追い詰められてヒステリックになっていきました。

あんなにあっけらかんとして朗らかだった長男が人が変わったようにヒステリックになってしまったので、さすがの私も心配になり母親と相談した結果、東京の学校にしばらく行かせてついでだから一年以上日本に済ませて日本国籍の再取得をめざそうということになりました。

アレルギー体質で神経質な長男ですが、自分は何が何でも一年以上日本にいて国籍再取得をしなければならないんだ、という強い意識が芽生えたようで最初の数か月はアレルギー反応が出たり疲れやすかったりしてヒステリックな状態が続きましたが、今ではすっかり日本に馴染んで東京での生活を楽しんでいるようです。

こうやって長い目で見ると、その瞬間は「ああしまった!」と思うようなことがあっても後から考えるとまるでそうなるべくしてそうなった、ということが多いんですよね。

まあそういった人生経験が影響してか、あまりこの20万円の消費に対してカリカリすることもなく、むしろ全く今まで自分の知らなかった世界を垣間見る機会ができたことにワクワクしている始末でした。

 

そして、やたらめったらグーグル検索でヒットするマッチングサービスのサイトに自分の基本情報をどんどん入力して初期登録していったのです。

生まれて初めてマッチングサービスのサイトに登録して会員になってからたった一週間もたたないうちのことでした。

そしてこの過去七日間にわたり、合計五つくらいのサイトに初期登録して電話やズームで紹介所の構成やプログラム、値段などを学習することになったのです。

実はマッチングサービスと一言で言っても本当は二種類に分かれるようです。実は最初に登録した詐欺まがいの紹介所というのはこのどちらの種類にも当てはまらないような中途半端な感じです。

一つ目の種類はどちらかというとデータベースの自動的なマッチングを頼りにする大掛かりなメンバーをマネジメントするサイトです。

一応マッチメーカーさんを一人一人に与えられるのですが、とてもじゃないですが十分にメンバーを知って内容も含めた相性をみたり紹介したりというところまでは手が回りません。

大体最初に長めのインタビューをして自分についての基本的な情報と相手に求める特徴など述べた後に、値段交渉をし最終登録につながります。

さすがにすべてのサイトに登録するわけにはいかないので、最初の紹介所で失敗した話をネタに相手から押し売りされる状態を防ぐようにしました。

何人かはとにかく私に登録してほしそうでしたが、一つのサイトは私がまだ離婚同居中であることを述べた瞬間に向こうから却下となってしまいました。

え、そういうことって関係するんですね…まあ自分としては逆にいつでも住処を変える準備が整っているということでもありますので、それはそれでウリのつもりだったんですけどね。

そして最後から二番目くらいの紹介所とズームで面接をしていただいたときのことです。

この紹介所のアプローチというのはとても丁寧でして、相手から攻撃的に会話を運んだり質問攻めにしたりすることもなく、むしろ

 

私と対話を楽しむ

 

というスタンスをとるんですね。

そしてズームでたっぷりと一時間お話ししてくれたのです。

まだ30そこそこの若くてきれいな白人女性でしたが、かなりその世界では有能な実力者でもあるようで、社長の女性と一緒にいろいろなデートプログラムを作成したりコーチングのプロであったりするようです。

実際に私と対話をしてくれるので、こちらとしても自分がいかに世間知らずだったかなど反省点を述べながらその業界についていろいろな質問をすることができました。

彼女によれば、年収によってメンバーさんの生活スタイルが変わっていくそうなんですが、大抵周りでは億万長者かどうかとかそういったブランドが一つ違った世界を見せてくれると思いがちなんですが、実はそれは少し違うようで、おそらく税金の関係だとは思うのですが、年収四千万前後および年収四億円前後で生活スタイルというのは大きく変わるようなのです。

そしてこの丁寧な紹介所というのはやはり丁寧なサービスを心がけるだけあって年会費も250万円などとかなりのものです。

 

ただこれだけ払う代わりに、望み通りの相手がメンバーにいないと、地元のスタッフがわざわざコミュニティに出て行って、なんと

 

ナンパ

 

しにいくそうです…

でもどうやったら年収とか、宗教とか、性格とか簡単にわかるの?って思いますよね。

でもその白人女性によれば、長年この業界にいるとあまりにいろんな人物と交流するので五分くらい会話をしていればだいたいこういった人間であるというカテゴリーはわかるそうです。

すごいですね。へぇ~、プロのナンパ師かぁなんてただただあんぐり口を開けてカルチャー・ショック状態だったんですが、そのズームが終わってから思ったことは、

でも一生モノのパートナーを選ぶのにカネに糸目なんかつけてる場合じゃなくない?

っていう想いだったんですよね。

資本社会的考えと言われたらそれまでですが、そうはいっても確かに私たち日本人というのは、恋人探しにそういった多額の投資をしてプロに仲介を頼むなんてことしませんよね。

でも日本では学費や習い事、学習塾、はたまた婚活、など非常に具体的な目的に沿っている場合は200万円くらいの投資なんて軽くする人はたくさんいると思います。

ただ実際に自分の人生を共にする相手というのは自分の私生活や精神状態に最も影響を及ぼしてくる相手です。

そんな身近になる存在の相手選びにそれなりの投資をしてある意味当たり前ともいえるんじゃないか、とズーム会議のあとから思うようになりました。

それというのも、ズーム会議の女性と他の電話で話した女性たちとの会話の質が全く違ったからです。

やはり数十万かかるサービスのマッチメーカーは数百万かかるサービスのマッチメーカーと比べると、会話の質が格段に下がってしまうのです。

このように二つ目の種類というのは個人個人のメンバーに寄り添って人間性全体を考慮にいれば恋人探しをしてくれるサービスとなります。まあ値段も十倍くらいしますけど。

そんなこんなでここ一週間仕事でも精神的にかなり追い詰められた状態でありながらも、何とかマッチメーカーの業界も同時に学習していったわけです。

 

ある土曜の昼下がり突然の電話

ホッと一区切りついた瞬間に、その週末の土曜日までオトメは何とも大変な事態へと引き込まれて行きました。

主に仕事上の人間関係に関することだったんですが、およそズーム会議の直後の火曜日からかなり強い信頼関係にある遠隔にいる共同研究者たちが私オトメが手塩をかけて面倒を見ている若い黒人の女性スタッフに対してかなり横暴な言動を取っていることがわかったのです。

お互い顔を合わせて仕事が出来ず、それぞれの地域からズームを通じてコミュニケーションを取るしか方法がないので、遠隔での共同研究というのはありとあらゆる誤解を生みやすいのですが、まあそれでも基本的に仕事上結果を出していれば誰も何も文句を言わないわけです。

しかしながら、いま行っている共同研究においてどんなに策を練っても被験者があつまらず、業を煮やした彼らは突然一番頑張っているスタッフの女性を激励するどころかものすごい勢いで責め立てたのです。

「こんなにいろいろ策を練っているのに結果が出ないなんて、やる気あんの?」

っていう具合にです。

こう言った言葉というのは、一番現場で苦しんでいるスタッフの心に鋭く突き刺さります。

半泣きで私に電話をかけてきたスタッフの話を聞いて、感謝してこそなんぼであれ、彼女の実にならない努力をなじるなど何事!と火曜日は一日中カッカカッカしてその日の夜は相手の責任者の男性に対して散々文句を述べていました。

お陰様で興奮状態冷めやらず、なかなか夜も寝付けない精神状態になってしまったのです。

 

そして明朝の水曜日の朝、ズームにて彼らからの一斉の謝罪が私のスタッフになされました。しかし、これは私オトメがアメリカ人に対して元来一番嫌っている部分なのですが、謝りながらも言い訳をするのです。

また、今度は矛先を私に向けて私が協力しないからだなんてとにかく心から申し訳ないと謝ることをしないんですよね。

従って火曜日と水曜日はものすごい心理的ストレスがかかった状態でした。

ところが土曜日の昼下がりに至るまで、私にかかる心理的ストレスはどんどん悪化していったんです!

 

木曜日になると、突然現在遠隔で勤務している研究所の女性ボスからヒステリックなメイルが届きました。

「私のことを信用できないとか、私にパワハラを受けていると感じているならば、私に直接話をしてほしい」

なんていう、感情的な内容なんです。

もちろんこれは私に対してだけでなく、彼女の率いる研究チーム全体に送られたメイルです。

「え、どうしたの突然?」

てな具合に、「大丈夫ですか?」という返事を返したところ、

「私にパワハラを受けているって訴えているスタッフがいるみたいなんだけど、誰だかわからない。しかも、組織の上層部からの圧力がすごい。メイルの内容を見てみるか?」

なんて言ってきたので「ええ、ぜひ」と言ったら私たちの研究所の上層部からのメイルが送られてきたのですが、いつもは私たちの研究を温かく見守ってくれるマネジメント側の年配の女性が柄にもなく、私のボスの言動があまりに荒々しく、スタッフが恐怖におびえているなんていう内容のメイルをボスに送り付けていたのです。

それを読んでいると、ボスがどれだけ身を粉にしてスタッフや若い研究者たちの未来を応援しているか、いざというときには彼女ほど頼りになる人間はいない、など重要なことは全く無視して、日々の彼女の荒々しい言動がまるで彼らのトラウマとなって彼らがダメージを受けている完全な被害者みたいな様相に仕立て上げられていて

読んでいるだけで涙が止まらなくなってしまいました。

人というのは本当に窮地に立たされた経験というものがないと、相手が実は他の誰よりも自分のために戦ってくれていることがみえず、むしろ自分を守ってくれている相手に自分の不安や劣等感をぶつけて八つ当たりすることが多々あることを私オトメはこの20年間の間に学んできました。

そして窮地に立たされそこから自力で生き延びてきた人間というのはある意味特殊な処世術というのを身に付けてしまうので、気が付くと他の人間にも手を差し伸べている状態に陥ることが多々あるのです。

同時に自力で這い上がってきたような人間というのは厳しい現実と向き合ってきていますから、どこまでも自分に厳しくそして同じように他人に厳しくしてしまうんですね。

これは私オトメも経験していますし、ボスも私に対して厳しい言葉をよく投げかけます。しかし、同時に過敏なところもあるので、いつも私が彼女のことをどんな風に見ているのか感じているのかフィードバックを求めてきます。

「もちろん、あなたの言いたいことはよくわかった。これから気を付ける。」

とだけ言っておきます。

私オトメのことを研究者として育ててくれた二人の白人男性がいますが(詳しくは連載ストーリー参照)、彼らも同じように自力でご自分の人生をどん底から築き上げてきた方たちです。

やはり甘えたところは一切なく、非常に謙虚であると同時にどこまでも厳しい方たちです。

なので、ボスの言動を私オトメはよく理解できるのです。

ただ八つ当たりして厳しいだけの人間と本当に相手のことを想って厳しい人間というのはどこか違うんですよね。

いざ、というときにそれがわかります。自分がいざという時に頼れる相手、それが私のメンターたちであり、ボスであるのです。

怒りに震えた私は、メンターのことも含めてボスほど心からチームを応援している人間はいない、なかなか世の中に存在しない逸材である、といったメイルを彼女に返し、ぜひこれを彼女自身を守るために使ってほしいと申し出ました。

 

そんな木曜日をすごし、そして金曜日です。

さらに事態は悪化していくのです。

今度はなんとブログでも何度もお話ししてきた元特殊部隊さんです。研究活動を通じて知り合ったアメリカ人の白人男性ですが、今は医療アプリの子会社の経営者でもあるのですが、もともとは世界最強の軍隊とされているアメリカの特殊部隊に八年間お勤めされた方でもあります。

徹底的に軍人としてのプロ、そして人としてのプロの訓練を仕込まれます。この方と交流していると、私オトメの研究者としてのプロ意識をしっかりと感覚的に理解していらっしゃる様子が言動の端々で伝わってきます。

既婚者でもありますし、少し遠隔にいらっしゃる方なので直接会ってコミュニケーションをとることはほとんどないのですが、毎週のズーム会議にてお目にかかることができます。

研究の世界で経営者としてでも科学的な貢献をしたいのだ、と一度だけお会いしたときに情熱的に語られていました。

あまりイケイケなところはなく、むしろ保守的で大人しい用心深い様子がある人でしたが、それでも会話をしているとチラホラと頭の回転の速さや決断力の強さなどが見えてきます。

まるで全く違う世界で生きてきたもう一人の自分を見ているようで、そんな元特殊部隊さんに惹かれていった私ですが、

それでいても相手は自分のキャリアの延長上で知り合ったわけで、ハニートラップではないですが、既婚者でもある彼に対して女性的な自分をさらけ出していくことはやはり躊躇してしまう自分がいました。

また、二人だけで交流する機会もほとんどないので、しばらくズーム会議で顔を見ていないと彼が私の会議参加に対して嬉しそうな表情をするなど彼からの個人的な好意は感じるのですが、特にそれ以上でもそれ以下でもない関係が数か月続いていたところです。

私オトメはかなり虐げられた環境で自分にできることを必死にかき集めて自分の研究キャリアを築き上げてきた人間ですから、一人一人の被験者を大事にし、たとえ数百ドル程度の研究費すらも無駄にせず、集められるだけの情報とデータ分析を基に全てを科学論文や研究費申請書へと活かしていく、ということを毎日のようにここ十年ほど続けてきました。

その積み重ねあっての今ですから、たとえ十人しか被験者がいなくても、初歩的研究であっても、全て同じくらい重要な科学的情報の宝庫であるのです。

しかし元特殊部隊さんの研究長を務める白人女性の言動が、己の子会社が行った小規模の初歩的研究は分析や論文制作に値しない、といったことをグループメイルで言い放ったので、とりあえずもう少し経験のある研究者として「そんなことはない」という内容のメイルをありとあらゆる事例と共に書き上げて送ったのですが…

研究長である白人女性にメイルを送ったにもかかわらず、なんとものの十分後くらいに彼女のボスでもある元特殊部隊さんから、短くそっけない返事がいきなり送られてきたのです。

「…つうか、君に宛ててないんだけど。」

というのが最初の私の中での反応でした。

そして内容も「こういった不躾な内容のメイルはメイルでなく会話で送っていただけるといいですね。ところで、この研究はあくまで初歩的研究でしかないんですよ。しかもうちの研究長はまだ関わってなかったやつだし」

という要するに彼女をかばい、私の頬をひっぱたくような内容のメイルだったわけです。

「え?あの科学的研究でもって貢献したい、っていうあれはどこいっちゃったわけ?しかもこれ君の会社のお金とリソースを使ってやった研究だし、結果で面白いことがわかれば確実に会社の将来につながっていくのに。」

私は完全な混乱状態へと陥っていったのです。

そしてあれだけ論文制作などに際しては自分たちも協力すると言い放っていたくせに、しかも自社の将来に関わる内容であるのに、要するにこういった初歩的研究に費やす時間はないし、従って手も貸さない、と言っているわけなんですよね。

おいおい、メチャクチャ言ってることとやってること矛盾してるじゃん

と私オトメは元特殊部隊さんの能力を相当買っていただけに、金曜日の夜中の三時まで燃料の切れたドラえもんのように、宙の一点を見つめたままショック状態でほとんど動けない状態が続きました。

本当にショック状態だったので、夜中の三時まで自分が何をしていたのかも全く記憶に残っていませんし、いつもはいろいろと思考・分析する私ですが何も考えられない状態が続きました。

…本当にショックだったんですよね

後で他の人間と会話するにつれ、おそらく彼の方もいきなり彼の雇った研究長の女性に対してしっかりとした反論のメイルを送り付けた私に対してショック反応を起こしたのではないかという結論に至りました。

要するに彼は私に対して個人的な感情を抱いていたのですね。

だから自分のやっていることが否定されたようで頭にきてしまったんだと思います。

しかしですよ、もとはと言えば研究長の女性からのメイルからことが起きているわけで、どうして言われたことに対して返事をしているだけの私オトメに対して激怒するのかは理性的に見ると全くと言っていいほど理解できないんです。

明らかに彼女の失言から始まった事件であり、本当であれば「しまった!」とばかりに外部の人間である私との仲裁に入るはずです。

というか、それが瞬発的な当たり前の対応でしょう。

それがどうしてまるで私に全責任があり、研究長と一緒になって後ろ指を指すようなメイルを送り付けてくるのでしょう。

彼の私に対する個人的な感情が否定されたのだと思われます。人間は恋をしていると脳みそのレベルはチンパンジー並みに下がると言います。

彼は私に恋をしていたのですね。

従って傷つけられたと勝手に勘違いした彼は「裏切りやがったな。信じていたのに。」とばかりに復讐に出たのだと思います。

よく考えもせずに、送られてきた私からのメイルにほとんど即刻で返事を出してしまったのです。

この事件を基に

「プロの研究者である私を自分や相手の個人的な感情反応から徹底して守る」

という私の中での鉄則が完全に強化され、やはり個人的な感情というのは研究活動に関わる人間同士の間で紛れ込ませてはどちらもうまくいかない、という教訓を再度学習した日でもありました。

 

もうアメリカの日常的な文脈で男性と恋することは無理である、遠く離れた日本男性と愛し合うことも現実的ではない、出会い系サイトでも全く会いたいと思う男性が一人もいない等々、悶々としながらも

「でもマッチメーカーのサービス使い始めたし!」

と気持ちを明るく切り替えてほとんど眠れずに過ごした金曜日の夜の翌朝の土曜日を過ごしていたのですが、それでも普段からよく相談に乗ってもらっているスタッフの女性たちに電話をかけてはまだ何とか自分の中で解消しようと心掛けたりしておりました。

本当にショックを受けてしまったようです。

オトメ独特の処理方法として半分冗談ぽく「うーん、きっとなんか精神的に病んでたりするのかもね(って結構本気でそう思ったりもしたのですが)、もしかしたら薬物依存だったりするかも(っていうくらい滅茶苦茶な言動でしたが)」などコメントしていたら、30代のスタッフの女性が何を思ったのか突然

「オトメさん、証拠もないのにそういったコメントは控えていただきたい」

いつもは優しく話を聞いている彼女が私に凄い批判的になってきたのです。

あまりの変異ぶりにビックリして当然言い訳を述べるのですが

「そんなのは自己防衛または言い訳にしか過ぎない」

という「えー、一体どうしたの急に?」的な徹底的に批判的な対応に突如として切り替わってしまったのです。

「…何を言ってもダメな感じだけど、どうしたの一体急に?なんかあったの?どうしたら仲直りできるかな(って別に彼女のことを責めていたわけでもないけど💦)。」

ととにかく自分を相手を落ち着かせようと努力し、しかしその後の会話は随分とギクシャクしたものになってしまいました。

後から彼女によれば、私オトメがこういった理不尽な対応をされたことに対していつまでも延々とショック状態にあり、果ては相手のことを精神病者扱いまでし始めて聞くに堪えられなかった、ということだったんですが…

えーん、でも怖いよー

というのが実の本音です。

一時間半にわたる電話を終え、また金曜日の夜に逆戻り。

宙の一点をむなしく見つめ、ただただ心のなかで一つの想いが駆け巡っておりました。

「安心できる関係がいい。もうこういう怒涛の感情と付き合わされるのはごめんだ。」

そしてぼんやりと

「ああそういえば、例の男性の話をしていた登録したマッチメーカー・サービスのスタッフの女性はどうなったかな。もう一週間近くも連絡がないな。そんな成功者の人とか本当に会ってみたいなぁ。その人との時間って特殊すぎてこういう日常のごたごたを全部忘れられそうだ。」

焦点の合わない目つきで宙を見つめながらまたしてもショック状態で座り込んでいた時です。

ブブブブブ…

手に握りしめていた携帯が鳴り始めました。

ん?だれだろ。フリーダイヤルだ。

とりあえず電話に出ます。

相手「あ、オトメさんですか。こちらマッチングサービスのカーラです。」

「え?他のマッチングサービスと連絡なんて取ったっけ?もう連絡とったところとは全部電話したけどな。」

なんてぼんやり聞いていた時です

「ララさんからの紹介でお電話をかけさせていただきました。」

ララさん!!!!例の白人男性のお話をしていた女性スタッフです!!!

「えええええ!!!ちょうど、本当にちょうどいまあなたの紹介所のメンバーである男性のことを考えていたんですよ!!!」

 

こういう絶妙なタイミングというのを度々私オトメの20年間の中で経験してきましたが、これもまた信じられないほどドンピシャなタイミングで

 

私オトメが本当に心から純粋に暖かく育む健康的な男女愛を求めた瞬間

 

にカーラさんからの電話がかかってきたのです!!!

すべては起こるべくして起こっているのですね、と再度確認した瞬間でした。

ではまたこの続きは次の記事で(⌒∇⌒)

 

 

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