こんにちは。
オトメと申します。☺
今このページに辿り着いているあなたへ、貴重なお時間を割いていただき大変感謝しております。
プロフィールを読まれた方でもそうでない方でも、きっとこのサイトの何かにご興味を持たれてお越しくださったのだと信じております。
このページは、ここ最近の数年のオトメのフロンティア人生を連載ストーリー化した第八話が掲載されています。
第七話にて、オトメがどういった考えのもとに激しい人生を歩むべくに至ったか、そして絶望的な人生の壁にぶち当たったか、についてお話ししました。
そして、絶望の中、あれだけ自分で全サラリーを稼がなくてはいけない、研究のみをする研究所勤めはごめんだと思っていたにもかかわらず(詳しくは第二話参照)、
組織的差別にさらされ、先輩から搾取されそうになり、先輩・上司から裏切り者扱いをされるなど、さんざんな残念な経験の後(詳しくは第四話ー第六話参照)、
以前面接をさせていただいた、ポピンズ女史の率いる研究チームにもう一度仕事の面接を申し込み、億単位の研究費が入るとともに彼女のチームが活躍する研究所へと転職したのです。
Contents
ポピンズ女史の活躍する研究所への転職
ポピンズ女史の率いるチームが行う研究は自分の研究と相当に相性がよく(詳しくは第七話参照)、
しかもポピンズ女史も含めチームメンバーの研究者たちは非常に協力的で理解のある人たちばかりです。
ポピンズ女史自体も、アウシュビッツ収容所の犠牲者となったお父様とその妹様(ポピンズ女史の叔母様に当たりますね)のおぞましい体験からの間接的な影響により、
ご自分も若いころに性的虐待をうけたり、その結果薬物使用にはしって、薬物中毒になってしまったり、その後もシングルマザーとして二人のお子さんを育て大変苦労したのち、
今現在、この分野ではなくてはならない研究リーダーとしてアメリカ政府にも高い評価を受けており、世界の舞台でリーダー・シップを取っておられる方です。
したがって、女性がたとえ過去に傷を負ったとしても、出産・子育てなどをし家庭を切り盛りしながらも、それでも自立したキャリアを持ち、世界の舞台でリーダー・シップを取っていく、
それをご自分の人生をもって実現され、そして女性が男性化して周りに対して単純に攻撃的になるのではなく、
一人の自立した人間として女性がどのように世界的影響をあたえるようなリーダーへと成長していったらよいのか
日々私も含め次世代を育てていくことに多大なる情熱を燃やしておられるようです。
不思議なもので、人間というのは自分の近くに現実にモデルとなる人材が存在すると、自然とその存在からエネルギーをうけ、気が付くと少しずつでもその存在に近づいてしまっているのです。
私オトメ自身も、ポピンズ女史から事細かに言動の指導を受けたわけではありませんが、やはり年月が経つにつれて、自分が以前よりもさらに毅然(きぜん)となり、誇り高き芯の強い女性研究者と成長しているさまが実感できました。
プライドが高い、という言い方を日本語でするとあまり良いイメージを持たれないかと思いますが、英語で表現すれば、Being proud of myselfというのはむしろ誇り高き人間、という自尊心の高さ、自己肯定感の高さを示すニュアンスが伴うようですね。
さて、ポピンズ女史の在籍する研究所に転職が決まったはよいのですが、彼らの住む地域は私の本拠よりも大分離れた場所にあります(詳しくは第七話参照)。
以前オファーをもらったときになんとかうまく「お断り」したのも(詳しくは第七話参照)、せっかく安住している地域をまた離れ、生活自体をまた研究ネットワークを一から立て直さなくてはならない、という理由が一番大きかったと思います。
何しろラボ研究的な研究ではないので、自分が根を下ろしている地域、住民、組織、そしてそれらを熟知し関係を築いている研究者達が自分の研究課題、内容、研究システムを作り上げていくわけで、
それらを熟知し、関係を築いていくのはとても時間がかかり、骨の折れることなのです。
つまり、わかりやすくいえば、私どもの研究活動においては、自分の住む地域の環境全体が自分の研究ラボとなるわけです。
したがって、移動することは、それまで築き上げた知識、経験、ネットワークをある意味過去のものとして葬り去ってしまうに等しく、
そこまでいかないにせよ、過去を生かすというよりは、過去のものとして自分の研究活動において、かなり影をひそめてしまうことになるわけです。
さらに、やっとの思いで手に入れた億単位の研究課題は、そんなふうにして自分が築き上げた環境を基にしているので、当然簡単に引越しをすることは考えにくいわけです。
そこでコロナ前の当時では割と珍しい、在宅テレワーカーという仕事環境はどうか、とポピンズ女史に提案するに至りました。
確かに目の前にポピンズ女史やその研究チームのメンバーがいたほうが、仕事環境への慣れもはやいだろうし、彼らとの共同研究の出だしもスムーズに進められるだろうとは思いましたが、
ここまで研究の仕事のほとんどが電子化している現在、在宅テレワーカーも不便ではあるが不可能ではないと思ったわけです。
実際この研究所は国内国外に多数のオフィスをかまえており、在宅テレワーカーとまではいかずとも、遠隔のオフィスに在籍するポピンズ女史の研究チームのメンバーも数人はいたわけです。
在宅テレワーカーという存在も、当時はその研究所にとってそれほど一般的ではありませんでしたし、ポピンズ女史のチームにとっては初めての試みでしたが、それでもポピンズ女史とは10年来の学会を通じての関係でしたがから、
彼女もどうなることやらと、いぶかしがりながらも、承諾してくれました。
当時授与された国家研究費に目がくらんで授与者である私を押しのけてでもその研究費に手を伸ばそうとするような輩たちのなかで、
ポピンズ女史だけが私の人生環境を最優先して交渉に応じてくれ、私の人間としての尊厳を守ってくれたわけです。
そして生まれて初めての在宅テレワーカーとしての研究人生が幕をあけたのです。
物理的にもそして心理的にも孤高の人へ
在宅テレワーカ―なので、研究所の方からインターネット使用料や、デスクトップモニターや、ボタン一つで上げ下げできるコンピュータデスクや、プリンター、電話、オフィスの備品などが経費であてがわれました。
部屋の一つをオフィスと認定し、それに見合う家具や部屋のアレンジをし、ファックス取り付けなど必要な工事もすませました。
しかし実際のところ、かなり複雑な研究所のシステムを最初からすべて電話とメールのやり取りにて学び、慣れていかなくてはいけないので、非常にやりにくかったことを覚えています。
ポピンズ女史も目の前にいれば簡単に教えられることも、遠隔の場合だとなかなか説明しずらかったり、ことの重要性がわかっておらずに私の反応が遅かったりでかなりいら立っておられました。
前の仕事先とは違い、遠隔にあるオフィス同士で行う仕事環境が整っているだけに、一分でも会議の時間に遅れると皆さんに不安を与えることになります。
時間厳守が常識である日本にもしあなたがいらっしゃるなら、時間厳守など当たり前でしょ、なんて思われるかもしれませんが(笑)、
前にいた組織ではありとあらゆる緊急事態、仕事内容の異なる者同士の集まりであったために、何の知らせもなく会議に出席しなかったり、遅れたりするのはごく当たり前のことだったのです。
しかし今や在宅テレワーカーとなった今、そんなことをすれば、仕事もせずにどこで何をやっているのか、と新参者は特に白い目で見られるわけです。
私オトメとしては、ローカルで行う研究や会議と、その間を縫って新しい研究所との遠隔の会議やタイムリーなメールのやり取りとの折り合いが最初はうまくつかめず、
どっちつかずな状態で、ポピンズ女史にも随分と叱られたものです。
そういった最中、自分の億単位の研究費を転職先へ転移しなければならなかったのですが、この時もまた例の事務からの(詳しくは第四話参照)これでもかというシカト攻撃の仕打ちを受けることになりました。
例の事務の黒人女性であるお局さんがこの時も登場するわけですが、お局さんのボスである白人女性(ここでは仮に大奥としましょう)も度々転職先の事務との電話会議において一緒に登場してきました。
時折、彼らは私も電話会議に参加していることを知らなかったようで、転職先の事務に向かって、堂々と嘘八百な言い訳を並べ立てていたのには驚いたものです。
大奥「ええ、まあ申し訳ないんですけれども、ドクター・オトメ(私のことです💦)のまだ清算されていない研究活動に関する費用のため、おそらく四か月くらい待っていただくことになるでしょう。」
お局さん「…ええ、そうそう!ドクター・オトメのおかげでね、遅れます。」
転職先の研究事務の方たちは賢い方たちばかりでしたので、私が聞き耳を立てていることに関しても何も言わず、電話会議を終わらせたあとに、
「あの人たち、あなたが聞いてたの知らなかったわね。だって、もうあなた転職しちゃってるんだから、清算されていない研究に関する費用っておかしいわよね。」
と「いい加減なこと言いやがって」的な感想を述べておりました。
しかし、気を付けないとさらに大奥、お局さんみたいな輩はいちゃもんをつけてごねだしかねないので、とにかく四か月意味もなく待たされている間大人しくしている方が賢明だというわけです。
もちろん研究者によって研究費は稼がれ、研究も運営されていくわけですが、研究費の所属はあくまで所属先の組織、というなんとも複雑な関係が研究者、研究費、および所属組織の中で成り立っているのです。
四か月という待ち期間は政府が設けた最長期間です。
つまり、でっちあげたいつもの「私オトメが悪い」という勝手な理由で、意味もなく四か月間研究費の転移が滞るばかりか、研究活動自体が頓挫(とんざ)する羽目に陥ったのです。
そして、この四か月間は私オトメ個人に対して何を意味するかと言えば、転職した研究所において完全におんぶにだっこ状態になるということだったのです。
本当は一人前の研究者として自分で稼いだ研究費を手に悠々自適に自立した研究活動を行えるはずが、大奥、お局さんによって意味もなく四か月転職先において経済的におんぶにだっこ、
そしてその後もさらに政府からまた転職先の研究所に研究費が授与されなおすまでに、なんと総合してほぼ一年もかかってしまいました。
大奥、お局さんの関係を見ていて思ったことですが、お局さんは黒人女性でありながらも、他に多くの有色人種の方たち(詳しくは第四話参照)とは違い、むしろ「私オトメに対する排除運動」に積極的に参加された方でした。
転職前の所属先はかなり保守的な雰囲気の漂う環境であったとは申し上げましたが、結局何が水面下で起きているかといるかといえば、
大奥のような、組織の上に立つ白人層の人間が取り仕切る環境においては、そこに所属する人間はたとえ自分が有色人種であろうとも、常に上に立つ人間の言いなりになるわけです。
いえ、電話会議の様子を聞いていた限り、有色人種であるがゆえに、白人層の上司に対しては過剰なまでに気を使い、ゴマをすっている可能性は十分あると思いました。
つまり、ダイアモンド氏のようにご自分自身が組織の上に立つ人間になるか、または有色人種である人間が上司であるか、という状況でない限り、組織外の有色人種のサポートをすることは無理なようです。
結局、一年近くも研究費が転移しなかったということで、私オトメは危うく転職先の研究所からも追放されそうになり、ポピンズ女史によって何とか間を取り持ってもらい、今現在に至ります。
まったく、現在の上司が私の背景や研究者としての可能性をしっかり把握しているポピンズ女史でなかったら、一体どうなっていたことか想像するにも難くありません。
この時も、一体だれを自分の身近な環境に置いておくのかがいかに大事であるか、ひしと実感した次第です。
同時に、ポピンズ女史もさすがに業を煮やして、在宅テレワーカーであるがゆえに迷惑ばかり描けているどころか、
一年近くも転職先の研究所にておんぶにだっこになってしまった、と彼女自身からもかなり非難轟々(ひなんごうごう)でした。
自分はどんなに実績を積んでも結局所属する先ではいつも迷惑ばかりかけてしまう存在にすぎないんだ、とこれまでの話に輪をかけて
人生に対して白けた気持ち
にならざるを得ませんでした。
在宅テレワーカーとして比較的静かで穏やかな毎日を過ごしてはいましたが、それでもだんだんと物理的に隔離された状態のみならず、精神的にも行き場のない想いにかられるようになったのです。
転職した後もさらに続く研究同僚との軋轢(あつれき)
やっと新しい研究所に転職したはいいですが、獲得した研究費とは別に、他の同僚たちとの間にも軋轢(あつれき)が生じるようになったのです。
まず転職前に所属していたもう一つの医療系の組織と大きな衝突が起きました。
その組織とは他の臨床研究も行っていたですが、
私が組織から実質抜け出たために、自分が面倒を見ていたスタッフの上司が私でなく、私のその組織におけるかつての上司に移り変わったわけです。
私が上司でなくなったからか、まだその臨床研究に研究者の一員として名を連ねていたにもかかわらず、急にスタッフの態度が一変してしまいました。
もともとその臨床研究は被験者が非常に集まりにくい、という厄介な研究内容でして、委託してきた私の先輩に当たる研究者もほとほと困り果てており、不眠症に陥っていたほどです(ここでは仮に不眠症の先輩としましょう)。
あと一年以内で結果を出さなければ、政府が授与した研究費を回収する、とまで警告を受けており、たまたまその研究内容にかんして経験豊富だった私オトメが、
とにかく研究費を継続させるという目的のために、ありとあらゆる手を尽くして、以前所属していた組織において結果をだし、無事研究費の継続が認可されたのです。
どうしてそこまで必死になったかというのも、自分の研究キャリアのため、というよりは、その研究内容の分野においての重要性を私オトメは重々承知しており、
なんとしてでも授与された研究期間を全うし、世の中に研究結果を送り出さないと、この分野における未来はない、と心からこの研究を応援しており、その助けになれるならこんなに名誉な話はない、と思ったわけです。
そんな動機などスタッフたちは知る由もなく、また私の以前の上司も私ほど必死ではなかったため、周りから見れば私は単純にパワハラな人間にしか映っていなかったようです。
面倒を見ていたスタッフの将来を想い、いろいろと相談に乗って、研究費の許す限り彼女たちがいい思いができるようにと取り計らったつもりでしたし、最もやりにくい類の仕事は私がほとんど引き受けていたとは思うのですが、
そういった部分は全く理解されていなかったようで、むしろ、私の取り計らいはすべて裏目に出て、陰で何をしでかすかわからない、隅に置けない危ない奴だ、というレッテルまではられてしまったようです。
その組織にはもう所属していない、という理由でその組織の建物にも入らないでほしい、みたいなことまで言われ、すべて電話会議で事を進めようとするも、
私オトメが釈明をしている最中に、スタッフ張本人がいつの間にか電話会議から外れていたりとか、全く馬鹿にし切った対応しかされませんでした。
さらに、その後いくらか経って、被験者集めが私がいたころよりも成果が落ちている、という理由で私が会議の招集をメールでかけたときのことでした。
私が雇い全面的に面倒を見ていたスタッフが、私がいかに彼女を搾取し、騙し、パワハラばかりしてきたかみたいな内容の、10ページくらいに渡る長文のメールを、
何を思ったのか、私と他のスタッフ、私の以前の上司に送り付けてきたのです。あっけにとられた私が老婆心から、
こういった内容のメールを本当に心から信じているならば、もともとの委託先の不眠症の先輩に直接訴えたらどうだ、と勧めたところ、
本当にそのままの10ページにわたる長文のメールを不眠症の先輩とそのスタッフたちに送り付けてしまったのです。
私も焦って不眠症の先輩に直接電話してお恥ずかしいところをお見せしてしまった、ともうその組織には所属していないのにもかかわらず謝りの電話を入れました。
彼としては、彼自身もお手上げだった研究を持ち直した、という結果を出した私に対してはその後どんな時でも理解のある態度を示しておられました。
「こういった注目される研究に名を連ねたがる輩はたくさんいるが、本当に助けが必要な時に君みたいに約束通り結果を出してくれる人間はほとんどいないんだよ。」
不眠症の先輩は何十億という額の研究費を政府から授与されている著名な研究者でしたから、それだけにこの研究によって信用が落ちるのを誰よりも懸念していたでしょうし、
その彼でさえもどうしようもなかった研究をほとんど私一人の力で立て直したわけですから、彼からはその後も今日に至るまで絶大な支持と信頼をいただいているようです。
結局その組織を離れてからその研究に関しては仕事らしい仕事もできなくなってしまったのですが、何年かしてその研究が終了するまで不眠症の先輩はずっと私の研究者としての給料を一部支えてくれましたし、
研究結果を報告する論文をいくつか出版した際にも、彼の右腕であることを意味する第二著者の位置に私の名前を連ねてくれました。
そして、例の長文のメールを送り付けたスタッフは後から私に個人的に謝罪をいれてきて、酔っぱらった勢いでああいったメールを送ってしまったことを後悔している、
という、彼女のその一つの行動がどれだけ周りの人間の信頼を落としたか、回り回って結局彼女の将来をも傷つけかねないような類のものであったか、全く理解していないような態度でした。
その後、たまたま彼女の友達を他の研究において雇ったのですが、やはりすべきでないことを自分はしてしまった、と未だに自分の非を悔いているようです。
感情的に自分が嫌な気分になるかどうかとは別に、周りの人間が自分にどれだけ貢献してくれているのか、これに対する感謝の気持ちは年齢問わず忘れずにいたいものですね。
この他にも、多くの研究仲間がいますが、その中でも私オトメの中では親密にしているつもりでも、
相手側は私の技量をいかに搾取するか、しか考えていないような研究者たちというのが、なぜかこの時期になり自分の周りで目立つようになってきたのです。
まるで、研究仲間の大掃除、ともいえますね。
ごく最近になって、なんと七年越しで取り組んできた研究課題がやっと政府の目に留まり、なんと令和3年3月3日に研究費が授与されるところまで来ましたが、
この研究課題がまた曲者(くせもの)でして、なぜだかこの研究課題に取り組む他の研究者たちの質が悪いのです。
過去にも、私が実質打ち立てた研究内容を基に国外の政府によって授与された研究費があったのですが、授与と共にいきなり連絡を断ち切られ、
文字通り、研究費全てをネコババされた、なんてこともありました。
あまりの出来事に、ネコババした奴らを突き止めるために、その国で行われていた学会にまで乗り込んでいったこともありますが、あらかじめ参加者リストが発表されていたために首謀者には事前に既に逃げられていました。
首謀者はとっくに学会を去っておりましたが、それでも下に続くメンバーが他にいないか、そいつらから少しでも情報が得られないかどうか、とにかく何が起きているのか少しでも状況を押さえておきたいと思った次第です。
アメリカの隣国ではありましたが、一応国をまたいで奴らを突き止めるという目的のためにわざわざその学会参加を申し込んだわけです。
奴らのグループのメンバーを一人でも突き止めてやる、と小さめの学会会場のロビーをくまなく見渡したり、参加者の名札を事あるごとにチェックしては知っている名前がないかと確かめたり。
参加者たちはみな研究発表をしあい、ネットワークを広げるべく、私の周囲は非常にポジティブでフレンドリーな雰囲気に包まれていました。
私もそんな中表面上は穏やかでフレンドリーな表情を保ちつつ、それでも鋭い目線で常に周囲を観察し目的の奴らが周りにいないか目を光らせておりました。
そしてあるセッションに参加していたメンバーの一人の女性を突き止めることができたのです!
してやったり、とその女性のそばにそっと近寄り、一時間のセッションが終わったと同時に「あの~、XXXさん、ですよね?私オトメと申します。もちろんご存じだとは思いますが…」と声をかけるに至ったのです。
そのときのその女性の目ン玉が飛び出そうなくらい驚いた表情と言ったら!
穴が開くほどビックリした表情の女性を刺すような視線で真正面から私オトメは見つめました。
私「少しお時間よろしいでしょうか(ていうか、よろしくないわけないだろ怒)」
ビックリ目ン玉女性「は…はい。」
そのビックリ目ン玉の女性は実はその国の首相の秘書を務めていたことがあったそうで、実はかなり政治的手腕のある人間だったのです。
おそらくカフェテリアに行くまでの道のりで私に何をどういい最終的に撃退するか、頭を高速回転させて考えていたに違いありません。
途中でメンバーの一人を見つけて誘い、三人でカフェテリアに入りテーブルにつきました。
要するに、研究の進み具合について聞く限り、あまり成果は上がっていないようで、それもそのはずその研究計画を立てた張本人である私オトメをそっちのけにしているわけですから当然の話です。
しかし政治的手腕のほうばかりに気が行っているビックリ目ン玉の女性ですから、いかに私オトメを将来の論文著者リストから排除するか、等の政治的な内容にしか興味がないらしく、
一方で私オトメとしては何も問題はないので、適当に彼女の攻撃をかわし、彼女が共同研究にこれから先興味があるようならお付き合いしましょう、とだけいってその場をすませました。
要するに、研究倫理もしっかりしておらず、実際の研究内容にまで支障をきたしておいてこの調子ですから、
研究に対して常に本格派を目指している私オトメからみれば、できれば彼らとはこれ以上関わりたくない、関わることでむしろ汚名を着せられる、と思ったわけです。
さらに、そういう卑怯なことをする連中というのは、結局いい研究もできず、いまだその研究内容は論文やニュースという形で日の目を見ていないようです。
そして、今の研究所に転職してからも、同じ研究課題において似たような搾取に出会ってしまったのです。
また皮肉なことに、彼らは私のメンターである、メンター氏(詳しくは第五話参照)の元でかつて教えを乞うていた先輩の卒いるグループだったのです。
私としては自分の家族のようにそのグループの人間たちを見ていたのですが、それはどうやら大きな間違いであったようです…まったく私オトメの人の好いことと言ったら、救いようがないようです💦
またしても、実質私が書き上げた申請書をほぼそっくりそのまま、なんだかんだ言いがかりをつけてそのグループの後輩にあたる人間にあてがってしまったのです。
そもそも最初からそうするつもりならば、私にあらかじめ了承を取るべきなんですが、私にタダ働きをさせてその後輩にあてがう、という魂胆がどこかにあったのでしょうね。
もちろん、私ももっと気を付けるべきであったのですが、またしても複雑なことに、数年前にそのグループが政府から多額の研究費を授与されたときに、私の名前が外部の共同研究者として連ねられていたのです。
しかしながら、結局は研究費を握っているのはそのグループであり、私は名前だけ連ねられていただけなので、だからといって一応「仲間」にいれてもらっただけに何もしないわけにもいかず、こういった不本意な事態にまたしても陥ってしまったのです。
ポピンズ女史にも相談し、とにかく結果発表の論文にだけでも名前を連ねるよう手紙をサインしてもらえ、ということで落ち着きました。
結局、その後輩にあてがわれた研究もコロナ禍の影響でメチャクチャな状態になり、結果も出せない状態にあるようです。
まあ、この時点においてはさすがの私も、
いい加減にしてほしい
と思うようになりましたね。
自分という存在と、メンター氏、ドクター・大臣をはじめとして多くの人間によって築かれた、自分を通して見える可能性をちゃんと理解できる人間とだけつるみたいと思うようになりました。
一方で、七年越しで取り組んだこの研究課題、このように二回ほどひどい形で搾取されましたが、私オトメの側では国家研究費として授与されるところまできたわけですから、
人生何があるか最後までわからない
ものですね。
英語で表現するとするならば、You never know til the end. てな感じになりますかね。
アメリカ国内のみならず、世界的な意味で孤高の人となる
ここまではアメリカ国内における、または主にアメリカ人とのやり取りを描写してきましたが、実はこの時期からアメリカ人以外の人間たちとの軋轢(あつれき)も増してきたのです。
研究者たちの中には、国外の研究者と手を組んでいる人たちも少なからずいるわけですが、アメリカ人でない者同士だからといって必ずしも共鳴するとは限らず、
むしろアメリカで育ったわけでもないのに、アメリカ国内で活躍している私に対して逆に反感を持つ人たちもいるようです。
ある発展途上国との共同研究においてのことですが、少額の国家研究費を授与された後に、私オトメがその国に出向いた時のことです。
大雪やらなんやで飛行機がキャンセルになったり、と大変な騒ぎでやっとたどり着き、帰りの飛行機も、国内線と国外線の時間が合わずにアメリカ行きの飛行機を逃してしまうなど、最後までハプニングの連続でしたが、
それでもその国を訪れている間は、その国の共同研究者達と生産的で楽しい時間を過ごしていた…とオトメは勝手に思い込んでいたのですが、
なんと驚いたことに、実はものすごい勢いで陰口をたたかれていたようなのです!
「あんなんじゃ、だめだ。あの人は我々の共同研究チームには残念ながらそぐわない人間だ。」
などと言われていたようです。もちろん私オトメが最初で最後の陰口をたたかれた人間だったわけではないのですが、あまりの表面的な気持ちの良い交流とのギャップに激しく混乱しました。
まさに日本語で言うところの、建前と本音、というわけです。
アメリカ側の共同研究者、クロコダイル(詳しくは第五話参照)、にそのことを聞かされましたが、クロコダイルの性格からすると大げさに事の有様を表現して私を心理操作しようとしているとも限らないので、
一体だれを信じてよいものやらだんだんわからなくなってきたのです。
そして他の研究者たちは臨床を第一とするために、私オトメのように研究を第一とする研究者が研究自体の発展を導いて貢献していくのかと思いきや、
残念ながら実力とは全くと言っていいほど無縁である見かけ的な部分により、私の存在は単純に便利な小間使い程度のものでしかなかったようです(詳しくは第四話参照)。
それは彼らと研究が進むにつれて、どんどんはっきりとしてきました。論文一本書くにしても、学問上の倫理的計らいなどそっちのけで、やる気にさせるだけさせといて後から自分の貢献を主張すれば、クロコダイルなどは
「チームワークというものがわかっていない。これはみんなで作り上げたものだよ。君も少しは自分のことばかり考えていないで全体のことを考えたらどうだね。」
というありさまで、そういった話は事前にするべきなんですが、事前にたとえそういった話をしたとしても、後から結局自分の知らないところで勝手に決断が下されていく状態でした。
ならば、自分は常にわき役としてしっかり勤めを果たそうとしましたが、なぜが私オトメが本気になって取り組めば取り組むほど、
「あなたの言っていることはあなたが大騒ぎするほどの内容でもない。」
「お前もいい加減にしないと、次のグループ会議でつるし上げにするぞ。」
などという、頓珍漢(とんちんかん)で攻撃的な反応ばかり受けるようになりました。
それでも共同研究が終了するまではおさらばできないと思い、グループ電話会議においてもとりあえず参加し、押し黙っている状態が続きました。
ある日突然、一人だけ私の実力を買ってくれている先輩の女性が、
「私はオトメの意見も聞いてみたいわ。」
と言い放ったのです。
突然発言権を渡されてかなり戸惑いましたが、メンター氏およびドクター・大臣からの徹底した訓練により、どんなに心中ビビっていたとしても、戸惑っていたとしても、
ゆっくりと落ち着いた、むしろいつもよりも無駄のない言葉遣いで中身の詰まった内容の意見を述べることができました。
ただそういったときでさえ、そういった感受性のない人たちは、
「あら、私たちもうあなたの言っていることはすでに述べていることよ。」
という相変わらず私オトメの言うことには重きを置かないことを徹底した返事しか返ってきませんでした。
私オトメ的にいつも思うことがあるのですが、
自分のほうが(すでに)わかっている
という考え方ほど人生においてもったいないことってないと思いませんか?
ということは、そう思っている相手と過ごしている時間やそういう相手に費やしているエネルギーは無駄である、と自己宣言しているようなものですよね。
もちろん誰も完ぺきな人間などいませんから、自分がそういうつもりでなく相手に対してそういった反応をしてしまっていることはもちろんあると思います。
ただ、自分の意識できる範囲内において、どんな人間との交流においても私オトメは常にそこから何かを吸収しようと、一つ一つの交流に集中し真っ向から向き合い、後から会話を思い出しては思案する、ということを繰り返してきたと思います。
最近読んだ本によれば、この反省という行動は経験を体験として腑に落とし、自分自身を豊かにしていく秘訣なんだとか…※詳しくはカオス理論を基に創造の人生をいかに歩むかについて説かれている田坂広志さんの著書をご覧になってください。
しかし残念なことに、周りの人間はほとんどの場合、私オトメとは逆のアプローチを人間関係に対してする傾向にあり、
結果として、自分とそれを取り巻く環境の価値を高めていくのではなく、自己価値の確認を相手との交流を利用して行うことにしか興味がないようでした。
このようにして、私オトメはどんどんさらにアメリカ国内外において孤高の人となっていったのです。
それでは第九話において、私オトメの中でどんなふうにしてプチっと張りつめていた糸が切れてしまったのかその模様をお伝えしますね。
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